「亜鉛が体にいい」という話、聞いた事ありませんか?
例えば多くのサプリメントには実際に亜鉛が含まれていて、その配合量をアピールしているサプリメントもあります。
この記事では亜鉛が健康とどの様にかかわりがあるのか、そして【亜鉛】にどの様な効果が期待できるのかについてまとめます。
効果が期待できる理由や使用上の注意点について、専門的なお話を踏まえつつできるだけ分りやすく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
【亜鉛ってどんな成分?】亜鉛の期待できる効果について解説
亜鉛は人体に必須のミネラルであるため「必須ミネラル」として指定されており、毎日必要量を摂取する事が望ましいとされています。
亜鉛の主な働きは細胞の代謝促進ですので生命維持には欠かせないですよね。
成人では体内に約2gほど含まれ、血液や皮膚などに多く存在しますが、男性に限って言えば前立腺や精子に多く存在し生殖機能の改善にも役立ちます。
亜鉛は人体に対して他にも重要な役割を担っているので下記のような重大なトラブルを引き起こします。
- 肌荒れ
- 薄毛
- 免疫力の低下
- 味覚障害
- 男性機能の低下
主だったところを少しだけ詳しくご説明しましょう。
【亜鉛】は薄毛対策に重要な成分
薄毛と亜鉛、一見なにも関係がなさそうですが実は関係が深いのです。
関係が深い理由は主に2つあります。
- 亜鉛がAGAの原因物質5αリダクターゼを抑制する
- 亜鉛がタンパク質の合成に大きく関与している
5αリダクターゼはAGAの原因物質と言われている酵素の1種です。
亜鉛はこの酵素の働きを抑制してくれるので、その効果が適切に働いていればAGAにはなりにくい、という事になります。
つまり亜鉛を適切に摂取していれば薄毛対策になると期待できるのです。
また、髪の成分は大半が「ケラチン」というタンパク質で構成されています。
亜鉛が不足してタンパク質である「ケラチン」が生成されなくなったら、髪がつくられず生えてこない、という事態になりかねません。
【亜鉛不足】は基礎代謝や免疫力の低下にもつながる!?
先ほども述べましたが亜鉛はタンパク質の合成に大きく関与しています。
それはタンパク質の塊である「筋肉」の形成にも深く関わっている事を意味しています。
筋肉が減れば当然基礎代謝も低下して「太りやすい」体質になってしまいますよね。
つまり亜鉛不足になると筋肉量が低下し基礎代謝も低下してしまうという問題もあるのです。
さらに亜鉛は体内の200種類以上の酵素が働く過程に関与していると言われており、この酵素の中には免疫力に関わるものも少なくありません。
なんだか最近風邪をひきやすくなった様な気がする。。。なんて感じている方は、もしかしたら亜鉛不足が原因かもしれませんよ。

亜鉛の適切な摂取量と注意点
亜鉛は主に肉類や大豆などタンパク質を多く含む食品から摂取できるのですが、現代人の亜鉛の摂取量は推奨量(成人男性で11mg/日、成人女性で8mg/日)に対してやや不足気味(男性の平均:9.1mg/日、女性の平均:7.5mg/日)と言われています。
特に過剰なダイエットや宗教上の理由などでこれらの食品を避けて野菜中心の食事をしている人は大幅に不足するリスクがあり、何らかの障害が発生する可能性があるので注意が必要です。
【 亜鉛の食事摂取基準 [mg/日] 】
年齢 [歳] | 推奨量 [男性] | 上限量 [男性] | 推奨量 [女性] | 上限量 [女性] |
18~29 | 11 | 40 | 8 | 35 |
30~49 | 11 | 45 | 8 | 35 |
50~64 | 11 | 45 | 8 | 35 |
65~74 | 11 | 40 | 8 | 35 |
75以上 | 10 | 40 | 8 | 30 |
【引用元】 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所Webサイト
「健康食品」の安全性・有効性情報 / ミネラルについての解説 / 「亜鉛解説」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail672.html
亜鉛はそれ自体には特別な副作用がない安全な栄養素ですが、いくつか注意するべき事があります。
- 過剰摂取は禁物
- 病気の治療などで薬剤を使用している場合は主治医に相談
過剰摂取は禁物
表にある通り亜鉛には「必要量」の他に「上限量」が定められています。
その理由は、亜鉛を過剰に摂取しすぎると、同じ必須ミネラルである「銅」の吸収を阻害してしまい「銅不足」を引き起こすからです。
少し話題がそれますが、銅不足になると、貧血・運動失調(立てない、歩けない、など)といったトラブルが発生すると言われています。
ちなみに亜鉛不足の人が亜鉛を補うことで健康上の利点が多くありますが、不足していない人が短時間に過剰に摂取しても余った亜鉛は吸収されずに尿などによって体外に放出されるだけです。。。
従って、亜鉛は一気に必要量をまとめて摂取するのではなく、1日の中でも複数回にわけて摂取する方が効率的に体に吸収されます。
サプリで亜鉛を補給する場合も1日の推奨量を一気に使用するのではなく、朝と夜など1日の中でも複数回にわけて飲む方が良さそうですね。
(例えば1日2錠が推奨されている場合は、朝に1錠、夜に1錠など)
「大量に飲めばもっと効果が出るはず」と思われるかもしれませんがそれは逆効果です。
確かに多少は効果が高まるかもしれませんが、コストパフォーマンスは低下してしまいますし、日常的に亜鉛を過剰摂取すると上述のように「銅不足」という別の問題を引き起こしてしまいますので注意してください。
病気の治療などで薬剤を使用している場合は主治医に相談
服用中の薬がある場合は必ず医師に相談してから亜鉛を摂取しましょう。
使用している薬の成分しだいでは、亜鉛によって効果が妨げられるものがある可能性があります。
病気の治療薬などの場合は生命の危機に発展する可能性もありますので医師に相談なく亜鉛を大量に摂取しないでください。
もし治療薬の中に亜鉛と相性が悪いものがあったらサプリなどで亜鉛を補充する事はやめた方が良いでしょう。
まとめ
亜鉛が健康維持のためにとても重要な栄養素であることをご理解いただけたのではないかと思います。
日常的に適切な量の亜鉛を食事やサプリメントから摂取するメリットは大きいですね。
この記事で述べた健康上のトラブルに心当たりがある方や「亜鉛」不足を自覚している方は、食生活の見直しやサプリメントの有効活用などを検討されてはいかがでしょうか?
(くれぐれも過剰な摂取にはご注意ください!!)