【VC分析】バリューチェーンを理解して製品価値を高めるやり方と活用法

バリューチェーンとは、企業が販売する製品を生産し、それを顧客に販売し、その後のアフターフォローを実施する事によって、顧客に「価値」を届ける、という一連の活動の流れ(フロー)の事を指しています。

このバリューチェーンを可視化したうえで

・事業活動の「どのプロセス」において「どの程度のコスト」がかるのか?
・その結果として「どの程度の付加価値」が生み出されているか?

を活動の順序(フロー)に従って理解するのがバリューチェーン分析(VC分析)です。

この理論を理解し自社の事業活動を分析すれば、自社が商品を顧客に販売するまでの過程において、どのプロセスが重要であるのか、或いは競合と比較して強みや弱みになっているプロセスがどこにあるのか分かる様になります。

【この記事の要約】

■バリューチェーン(VC)分析の目的は?何がわかる?
・顧客により良い「価値」を提供するための”次の一手”を見出す事を目的としている。
・自社のVCの全体像とVCに含まれる各プロセスの「付加価値」と「コスト」がわかる

バリューチェーン分析のやり方と活用方法
・自社の事業活動のプロセス(機能)を「主活動」と「支援活動」にわける
・「主活動」と「試験活動」のそれぞれのプロセス(機能)を図で可視化する
・プロセス(機能)ごとの「付加価値」と「コスト」を明確にし図に追記する
・完成した図からチャンスと課題を見出し状況に応じた施策を立案する
・他の分析のインプット情報としても有用
目次

バリューチェーン分析(VC分析)の目的は?何がわかる?

バリューチェーン分析(VC分析)の目的は?何がわかる?

冒頭でも述べたようにバリューチェーン分析とは、企業の事業活動を活動の順序に従ったフローとして理解・可視化し、「どのプロセス」において、「どの程度のコスト」がかかり、その結果として「どの程度の付加価値」が生み出されているか、を分析する手法です。

まずは、その概要に関してご説明しましょう。

バリューチェーンの理論は経済学者のマイケル・ポーター教授によって提唱されました。

ポーター教授が提唱した理論によれば、企業の活動は「主活動」と「支援活動」に分類され、それぞれ以下の様な活動(機能)であるとされています。

・主活動: 購買物流 → 製造 → 出荷物流 → 販売 → アフターサービス
・支援活動: 全般管理(総務、経理、情報など)、人事・労務、技術開発、調達
・利益: 販売価格から主活動と支援活動に要したコストを差し引いた額

これを図で表現すると下記の様になります。

図1. マイケル・ポーター教授が提唱したバリューチェーン

図1. マイケル・ポーター教授が提唱したバリューチェーン

ここで、主活動は順序に従ってフローになっていますが、支援活動はフローにはなっておらず、それぞれの活動が独立している点にご注意ください。

つまり、VC分析において分析されるべき対象は「主活動」であり、この主活動において効率的に付加価値を高める事が企業の優位性につながる、という考え方です。

では支援活動には価値が無いのかといえば、そうではありません。

支援活動はVCのフローにこそ含まれませんが、その活動によって主活動の効率や付加価値を高める事をサポートしています。

即ち、VC分析の目的は、事業活動の全体像をフローとして理解し、効率的に付加価値を高めているプロセスと、そうでないプロセスを把握する事によって、VC全体を最適化するための”次の一手”を見出す事を目的としています。

その施策を実行した結果、企業はより効率的に製品の付加価値を高めるVCを手に入れる事ができ、顧客により良い「価値」を提供できるようになるのです。

ところで、VC分析を実施する場合に注意すべき重要な事があります。
それは「自社の実際の業務フローに従ったフロー図を作成する」という事です。

マイケル・ポーター教授が提唱したVC分析では、事業のプロセスフローは前述の図1の様に描かれています。

しかし、多くの企業の事業活動はこの図とは少なからず違いがあります。

例えば、顧客に販売する製品を自社開発している企業の多くは、どの様な製品を具現化すべきか事前に企画しているはずで、この場合は下記の図2の様に「製品企画」のプロセスを付け加えておく必要があります。

図2. 製品を自社開発している場合のバリューチェーン

図2. 製品を自社開発している場合のバリューチェーン

もし、あなたの会社が製造業ではなくサービス業を営んでいる場合には、「製造」のプロセスは無いのが普通ですし、購買物流も主活動ではないかもしれません。

尚、企業が営利目的で運営されている以上、プロセスフローの最後には「利益」を必ず加えなければいけません。

厳密に言えば活動のプロセスではありませんが、最終的な「顧客にとってのコスト」としても、「自社の儲け」としても、明確に認識しておく必要がありますので、フロー図に記載して可視化しておきましょう。

バリューチェーン分析のやり方と活用

バリューチェーン分析のやり方と活用

それではVC分析のやり方を順にご紹介しましょう。

実際にあなたが関わっている事業の状況を、具体的にイメージしながらご覧頂けると理解しやすいと思います。

ぜひお試しください。

VC分析の大まかな流れは以下の通りです。

①自社の事業活動を機能ごとに「主活動」と「支援活動」に分類する
②「主活動」のプロセス(機能)を実際の順序に従ってフロー図として可視化する
③「支援活動」を機能ごとに図中に可視化する(フローには含まない)
④各プロセス(機能)が顧客に対して提供している「価値」を分析し図に加える
⑤各プロセスのコストを分析し図に加える

この様にして出来上がった図が、あなたが実際に関わっている事業活動の全体像です。

その後は、完成した図を見つめながら、自社の事業活動の課題を探ります。

例えば、

・より低コストで効率的に付加価値を付けるべき主活動のプロセスはないか?
・競合との差別化要因になりそうな主活動のプロセスは何か?
・主活動の効率と付加価値を高めるために強化すべき支援活動はないか?
・競合に対して「強み」、或いは「弱み」になっているプロセス(機能)はないか?

といった観点で自社の事業活動を見つめ直しましょう。

その中には、あなたが関わっている事業が大きく飛躍するチャンスや、改善すべき課題が含まれているはずです。

それらを見逃さず、あなたの会社の状況を踏まえた、適切で有効な施策を立案してください。

もし、競合に対して「強み」や「弱み」になっているプロセス(機能)を明確にしたいのなら、完成したフロー図に描かれたプロセス(機能)ごとにVRIO分析を実施する事により、明確に把握する事ができます。

その結果をSWOT分析に活用し、その後の経営戦略・マーケティング戦略へとつなげていくのも良いでしょう。

まとめ

今回はバリューチェーン分析(VC分析)について記事をまとめました。

VC分析を有効活用すれば、あなたの会社の事業活動の現状を客観的に見つめ直す良い機会になるだけでなく、事業活動をさらに良くするための施策立案へとつなげる事ができます。

飛躍につながる”次の一手”を、ぜひ見出してください。

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