今回はマーケティングの要のプロセスであるSTPプロセスの進め方に関してご説明します。
STPは、マーケティングにおける基本的な戦略の方向性を決める重要なプロセスですので、適切な順番で検討を進め質の高い結論を導きましょう。
■マーケティングの要諦STPとは?
- STPとは、”セグメンテーション(Segmentation)”、”ターゲティング(Targeting)”、”ポジショニング(Positioning)”の、マーケティングにおける3つの分析・検討項目の総称。それぞれの英語の頭文字をとって”STP”と称される。
■マーケティングにおいてSTPを検討する際の正しい順番は?
- 文字通りS→T→Pの順番がおススメ。セグメンテーションによって市場(顧客)を細分化し、細分化した顧客の中からターゲティングにおいて狙いを絞り込む。狙いを定めた”市場(顧客)”のニーズと自社の強みに応じてポジショニングを実施する。
■マーケティングにおいてSTPの検討が終わったら? 次は4Pを意識したマーケティングミックスです
- STPが終了すると「誰に」「どの様な価値を提供するのか」が決まり基本戦略の方向性が定まる。これを4P(マーケティングミックス)でさらに詳細な戦略へと仕上げる。
マーケティングのおけるSTPの意味と役割とは?
結論から申し上げますとSTPには「自社が狙いたい市場(顧客・消費者)を明確にし、その市場に対してどの様な価値を提供していくのかを決める」という意味があります。
さらにSTPの前に実施している各種の環境分析の結果をベースにSTPを実施する事によって、具体的な戦略立案プロセスであるマーケティングミックス(4P)へとつなげていく役割を担っています。
これらの意味や役割をご理解頂くためにSTPについてsらに詳しく解説していきましょう。
STPとは?
STPとはマーケティング活動において実施される3つのフレームワークの事です。
- セグメンテーション(Segmentation)
- ターゲティング(Targeting)
- ポジショニング(Positioning)
3つのそれぞれの英語の頭文字をとって”STP”と称されています。
詳しくは後ほどご説明しますが、3つのプロセスを経ることによって
市場を細分化(セグメンテーション)し
細分化した市場から狙いたい市場を選び(ターゲティング)
選んだ市場に対する提供価値を決める(ポジショニング)
という成果を得る事になります。
いずれもマーケティングにおいて要諦となる重要なプロセスなのですが、「どういった順番や手順で進めたらよいか分からない」、と感じておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで以下では、STPプロセスにおいて分析・検討する際の順番や手順についてご説明します。
なお、以下にご紹介する手順は、「必ずこの通りでなければならない」、というものではありませんが、この順番を意識して検討を進めて頂くと、抜け漏れなく検討でき、かつ、比較的整理しやすいので、「思考」する事に集中できると思います。
その結果として質の高い結論が得られるはずです。
マーケティングにおいてSTPを検討する際の正しい順番は?
早速ですが主題に対する結論から述べさせて頂きます。
STPの分析・検討を進めていく順番は、呼び方の通りS→T→P、つまりセグメンテーション→ターゲティング→ポジショニングの順番をお勧めします。
なぜならば。。。の理由を理解するためには、3つのプロセスの目的と役割を理解しておく必要がありますので、ここで簡単におさらいしましょう。
ご存じの様に、現代は価値観が多様化しているため市場全体を意識して「万人うけする商品」を市場に展開しても「万人にうけない商品」にしかならず、あまり成果が期待できないと言われています。
そこで、特定のニーズを持った人々にターゲットを絞り込んで、そのニーズに適した「価値」を自社の強みを活かしながら市場に展開していく事が求められています。
この様な背景がある中でSTPのそれぞれのステップは以下の様な目的のもと役割を担っています。
セグメンテーション(Segmentation)の目的
自社が既に参入している、或いはこれから参入しようとしている市場を細分化(要するに、もっと詳細で細かな単位に分類するという事を)します。
狙いを定めるべき特定のニーズを持った人々を見出すための準備段階として市場を異なるニーズを持った集団に細分化して、狙いを定めるべき人々(集団)の候補リストを作成する事を目的としています。
ターゲティング(Targeting)の目的
セグメンテーションでリストアップされた候補集団の中から、自分たちが顧客にすべき集団を決定するプロセスです。
その目的は、特定の集団に狙いを定める事によって、自分たちが顧客に提供すべきニーズが何かを明確にする事です(セグメンテーションで細分化された集団はそれぞれ異なるニーズを持っていますね)。
ポジショニング(Positioning)の目的
ターゲティングで明確になった顧客のニーズに対し、自分たちの強みを活かしながらどの様な「価値」を提供していくのかを決める事が目的です。
これにより、その後の事業戦略の基本的な方向性が決まります。
前置きが長くなってしまいましたが、S→T→Pの順番をお勧めしている理由は以下の通りです。
- ターゲティングもポジショニングも「顧客は誰か?(或いは、誰にすべきか?)」を意識しながら検討する必要があるため、候補集団のリストアップを担うセグメンテーションは必ず最初に実施されるべきです。
- ターゲティングとポジショニングはどちらが先でも進められそうですが、収益を得る事を最優先に考えるのであれば、市場規模を決定付けるターゲティングから先に実施すべきだと思います。
先にポジショニングを実施して、自社の強みを活かせる提供価値を決めた後で、その価値でニーズを満たす事ができる集団が無い、または、あっても市場規模が不十分であった場合には、再度ポジショニングから検討し直さなければならなくなってしまいます。
従って、セグメンテーションを実施した後は、ターゲッティング→ポジショニングの順番で進めるのが良いです。
マーケティングにおいてSTPの検討が終わったら? 次は4Pを意識したマーケティングミックスです
STPが終了すると「誰に」「どの様な価値を提供するのか」が決まり基本戦略の方向性が定まります。
しかし、それは方向性の枠組みに過ぎず、さらに詳細で具体的な戦略へと仕上げていく必要があります。
この詳細な戦略を立案していく活動をマーケティングミックスと呼んでいます。
そしてその際には”4P”と称される4つの視点を意識しながら検討を進める事となります。
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