価格弾力性の計算と求め方をわかりやすく解説(価格弾力性が高いとは?)

「価格弾力性」とは?と聞かれたら、あなたはその問いに答えられるでしょうか?
価格弾力性は、ある製品の価格を決める際に1つの指針となる重要な項目ですが、その呼称からはどの様なものかイメージが湧きにくいと思います。
今回は、その様にわかりにくい項目である「価格弾力性」について、できるだけわかりやすくご説明したいと思います。

*おことわり:
この記事における「価格弾力性」とは「需要の価格弾力性」についてご説明しています。価格弾力性に関しては他にも「供給の価格弾力性」があります。

【この記事の要約】

■価格弾力性とは?その計算方法は?
・製品の価格が変わった場合に、その製品の需要(販売数)がどの程度変わるのか、を示した「価格に対する需要の応答性」を表した指標。
・計算式:   価格弾力性 =  需要の変動率 / 価格の変動率

■価格弾力性の求め方
価格改定の際の販売量変化、セール時の販売量、類似品の価格と需要、アンケート調査などから、価格と需要の変動率の関係を把握し上記の計算式により求める。

■価格弾力性の考え方と使い方
・価格弾力性の値を利用して収益が最大になる価格設定(改定)を実施する。
目次

価格弾力性とは?

価格弾力性とは?

それでは最初に「価格弾力性」とはどの様な概念なのかご説明しましょう。
価格弾力性を理解するためのポイントは、価格に対する顧客(消費者)の心理を理解する事にあります。

仮にある製品の価格を現在の価格より値上げしたと仮定しましょう。
この場合、販売数量はどうなるでしょうか?
おそらく販売数量は現在よりも減少しますよね。

では、どの程度の値上げをしたら、どの程度の販売数が減少するのでしょうか?

この問いの答えを数値で表現したものが「価格弾力性」です。
価格弾力性は以下の様な計算式で計算します。

価格弾力性 =  需要の変動率 / 価格の変動率

もし10%の値上げをした場合に、需要が5%低下したら、

価格弾力性 = 5 / 10 = 0.5     価格弾力性:0.5

となります。

書籍などで価格弾力性が説明される場合、よく目にする計算式は

価格弾力性 =  ー 需要の上昇率 / 価格の上昇率

というもので、右辺の初めに(-)がついていて、かつ、「変動率」ではなく「上昇率(下降率)」で表現されています。

価格が上昇すると需要は減少し、逆に価格が下降すると需要は増大する、という様に価格と需要は常に逆向きの変動をするため、単純に需要と価格の「上昇率(下降率)」の比で計算式を表現すると、計算結果が常にマイナスになってしまいます。
これを補正するために計算式に(-)を付けているのです。

しかし、最初にご紹介した式と本質的には同じ計算ですし、上昇でも下降でも気にせず現状を基準とした「変動率」で考えた方が理解しやすいと思います。

従ってこの記事では、

価格弾力性 =  需要の変動率 / 価格の変動率

と表現させて頂きます。

価格弾力性の求め方

価格弾力性の求め方

さて、価格弾力性を計算する計算式はご理解頂けたかと思います。
しかし、それだけで価格弾力性を計算する事は残念ながらできません。
実際に計算するためには、事例で説明した様に「○○%価格が変動したら、××%需要が変動した」という実際のデータが必要になります。

では、こういったデータはどの様に入手したら良いでしょうか?
例えば、以下の様な方法でデータを集める事ができます。

・過去の価格改定後の販売数
・一時的なセール販売時の販売数
・参考になりそうな類似品の価格と販売数
・価格に対するアンケート調査

こうして集めたデータを、価格 vs 需要(販売数)で1つのグラフにプロットすると、右肩下がりの直線的な相関がみられるはずです。

その直線の「傾き」から価格変動と需要変動の関係、つまり「価格弾力性」が分かります。
尚、厳密に言えば、この「傾き」は前述の理由でマイナスの値(負の相関のため)になりますので、マイナスをとった数値が「価格弾力性」になります。

価格弾力性の考え方と使い方

それでは、実際に求めた価格弾力性について、考え方や使い方をご説明します。

前述の方法で求めた価格弾力性が仮に「1」であった場合、10%の価格上昇(例:1000円→1100円)に対して、需要は10%減少(例:100個→90個)する事を意味しています。

では、価格弾力性が「2」だとどうなるでしょうか?

この場合、10%の価格上昇に対して、20%の需要の減少が発生する、という事を意味しています。

この様に、価格弾力性の数字が大きい製品ほど、価格の変動に対して需要(販売数)の減少率が大きくなります。
つまり、価格変更によって需要が影響を受けやすい製品と言えます。

実際の事例では、家電、宝石、高級ファッションブランドの製品などは、価格弾力性が高いと言われており、一時的なセールなどで価格が下がると需要が拡大しやすい傾向にあります。

一方で、価格弾力性の数字が小さく「0」に近い様な製品は、価格の変動に対して需要がそれほど変わりません。
例えば、食料品や 電気・ガス・水道料金 などは、生活に必要な必需品であるため、値上がりしても、余程の事がない限り需要が落ち込む事は無いと思われます。

この様に、価格変動と需要変動の関係を明らかにしてくれる価格弾力性を上手に活用できれば、価格改定を実施する際に需要(=販売数)への影響を考慮しつつ価格を改定できますし、得られる収益を最大化すべく「製品1個の利益」×「販売数」が最も大きくなる価格を設定する事もできます。
価格を検討する際には必ず「価格弾力性」も意識しながら検討を進めてください。


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